ベアリングハウジングアイキャッチ

いつもめっき屋営業マンのブログをご覧いただきありがとうございます。
今回はロールを使用するための部品であるベアリング/ハウジングの脱着(交換)に関するお話です。



目次

  • ロールを修理する際,付属部品はどうしたらいい?
  • ベアリング/ハウジング(軸受箱)の外し方について
  • ベアリング/ハウジング(軸受箱)取り外しの事例
  • 付属部品の交換(脱着)から依頼の際に注意すべきこと


ロールを修理する際,付属部品はどうしたらいい?

付属部品が付いたままでも修理は可能?

ベアリング脱前

お客様より付属部品が付いたままでの修理は可能であるかお問い合わせをいただくことがございます。
答えはYESであり、NOでもあります。
というのも、付属部品が付いた状態で品物をお預かりしても結局は取り外してから修理をしているためです。
そのため、お客様手配で付属部品の取り外しが可能な場合は外した状態で御支給いただいております。


修理をするために付属部品を外す理由

付属部品を外して加工する理由は2つあります。

①めっき液に浸かるため

ロール縦釣り

めっきを行う際、品物はめっき槽に浸かります。もちろん、めっきしない部分はマスキングを行いますが、めっき槽に入る以上はめっき液の混入のリスクは避けて通れません。
そのため付属部品も入槽するとめっき液がしみ込んでしまう可能があります。めっき液を社外に出すことは絶対にあってはならないことのため、めっき液がしみ込んでいると結局は脱着して洗浄しなければいけなくなる可能性が出てきます。また付属部品が汚れているとめっき槽を汚してしまい、めっきの品質に影響が出る恐れがあります。


②機上での加工ができなくなるため

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ロールを加工する際、機械にセットして回転させます。付属部品の大きさによっては回転させるのが危ないものやロールの芯出しをするのに不都合になる場合がございます。

以上の理由から付属部品は外す必要があります。
しかしながら、
まれに付属部品を外さなくても加工ができるケースもあるもの事実です。
ですが、基本的に外さなければならないと思ってください。



付属部品をお客様手配にて取り外すのが難しい場合

「理由は分かった。でもノウハウや人員が足りていないので外すことができない。」

お客様の手配で付属部品を外すのが難しい場合もあるかと思います。
そんな時は弊社にお任せください。

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ベアリング/ハウジング(軸受箱)の外し方について

すきまばめとしまりばめ

ベアリングやハウジングはすきまばめやしばりばめといったはめあい方法によって取り付けられています。
はめあいとは、穴と軸を組み合わせる前の寸法の差から生じる関係のことです。

【すきまばめ】

組み合わせた時に常にすきまができるはめあいのことです。
部品を頻繁に交換する際には適していますがしっかりと固定はされません。
すきまバメ

【しまりばめ】

組み合わせた時に常にすきまがないはめあいのことです。
焼きばめもしくは圧入といった方法がしまりばめに該当します。
取り付け、取り外しが大変なため、交換には適していませんが、しっかりと固定されます。
しまりバメ
いずれかの方法で取り付けられています。

ベアリングの外し方

すきまばめで取り付けをおこなっている場合は工具を使用しなくても手作業で取り外しが可能な場合もございます。
ですが、そんなケースはどちらかといえばまれですので専用工具を使用して外します。
外し方は2パターンです。


プーリー抜きの使用

プーリー抜き

専用の工具をベアリングに引っかけて抜きます。均等に力がかかるため、軸を痛める心配はございません。ただし、ベアリングを再利用する際はベアリング側に傷が入らないように配慮が必要です。

油圧ポンプの使用

油圧ポンプ

テーパーのベアリングを使用しているようなケースでは油圧でベアリングが抜けるように設計してロールが作られています。油圧を加えることによりベアリングが外れます。


これらの専用工具にクレーンなどの設備を使用してベアリングとハウジングの取り外しを行います。

ロールに使用されているベアリング/ハウジングのタイプは主に3パターンです。

【ピローブロック】

ピローブロック

ベアリングと箱が一体になったベアリングユニット。 ベアリングと箱が同一メーカーであることが一般的です。

取り外しは比較的簡単なのでお客様側であらかじめ取り外してからロールだけ御支給いただくケースがほとんどです。

【プランマブロック】

プランマブロック

ベアリングを納めて使用するベアリングユニット。ベアリングと箱は個別に扱う(規格、購入単位等) 比較的大径の物まで適用があります。ベアリングと箱は別メーカーの組み合わせでも使用が可能です。
プランマブロックからの取り外しは比較的簡単です。ベアリングに関してはサイズが小さいと取り外しは簡単ですが、大きくなってくるとベアリングだけでなくギアも外すのが大変なため、サイズの大きい冷却ロールなどはベアリングとギアの脱着も表面の修理と合わせてご依頼いただくことがよくあります。

【特注タイプのハウジング】

ハウジング

各種装置メーカーが自社の機械設備用に独自に設計したハウジング。使用用途に合わせて設計されているため、比較的簡単に取り外しができる構造をしたものから片側に
ベアリングを2個以上使用し、オイルシール以外の部品が組み込まれていたり、テーパーのベアリングを採用して複雑な組み込み方をしているものなどメーカーにより様々です。
ロール本体に圧力をかけて使用するようなロールだと圧力に耐えられるように大きなベアリングを使用しているのでハウジングもそのぶん大きなサイズになります。取り外しには設備や道具、ノウハウも必要となるため、脱着を含んでの修理にてご依頼をいただいております。

ベアリング/ハウジング(軸受箱)交換の事例

実績をわずかながらご紹介します。


ベアリング/ギアの取り外し

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冷却ロールにベアリングとギアが取り付いている状態の写真です。
ロール表面の修理とセットで脱着もご依頼いただきました。



ハウジング/ベアリングの取り外し

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特注のハウジングを使用し、複数のベアリングや付属部品が使用されているロールの写真です。
部品点数が多いので組図を確認しながら組み付けを行うのが理想ではありますが、
弊社では組図がなくても取り付いていた時の状態を記録して、修理後には全く同じ形で組み込みが可能です。

どちらのケースも必要に応じて付属部品の新調も可能です。

付属部品脱着から依頼の際に注意すべきこと

お見積もりのご依頼時には交換(脱着)も必要とお知らせください。

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付属部品の取り外しはサービスでおこなっていません。
ロールの修理費用とは別に料金が発生します。
ご使用の状況によっては簡単には取り外しができないケースもございます。


ベアリング等の付属部品が痛んでいる場合は交換する必要があります

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品物をお使いになられている以上、付属部品が痛んでいるケースもございます。
もちろん、使用していた状態でそのままご使用できるのが理想ですが、付属部品の傷み具合によっては交換が必要になる場合があることをあらかじめご理解下さい。

軸が摩耗している場合は別途修理が必要となる場合がございます

軸摩耗

付属部品が痛んでいる可能性があるように軸部も摩耗していることがあります。
軸の摩耗は品物の精度に影響しますので修理が必要です。
傷み具合によりロールの修正方法が変わってきます。
軸も併せて修理する場合は別途費用が発生しますので注意が必要です。
いずれにせよ、修正が必要な場合は分かった時点でご連絡致します。お見積りで修正するか判断していただいております。



以上になります。

弊社では日々あらゆるタイプのロールを修理しており、お客様のご依頼よっては今回ご紹介したような付属部品の交換(脱着)もセットでお受けした実績が多数ございます。

今までは自社で取り外ししてから支給してたけど、脱着もお願いしたいという場合も大歓迎!

ロールの修理ならオテックまでぜひお問い合わせ下さい。





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