工業用ロールアイキャッチ

今回は弊社の主力製品である工業用ロールの製造工程について
製作工場での芯金製作(旋盤仕上げ)までの加工についてご紹介いたします!


目次

  • 工業用ロールについて
  • 材料の購入
  • 材料旋盤加工
  • 穴あけ加工
  • 焼きバメ・溶接加工
  • ロール旋盤加工(仕上げ)
  • 検査
  • バランス測定

工業用ロールについて

フィルムは押出成形機で作られます。

みなさんはテレビやスマートフォンの液晶に使用されているフィルムやリチウムイオン電池に使用されているセパレーターフィルムなどの製品がどのように製造されているかご存知でしょうか?薄くて透明なフィルムは押出成形機と呼ばれるフィルム製造装置で連続生産
されます。

フィルム製造イメージ


成形~搬送までの全ての工程で工業用ロールは使用されています。

PC厚シート ポリッシングロール設備
フィルムは原材料となる樹脂を溶かして作られています。樹脂はTダイと呼ばれる部品から溶け出てきた際冷却ロールで冷やされはじめてフィルムの形になります。その後、延伸という工程を経て巻き取られ完成するのですが、成形~搬送まで全ての工程において工業用ロールが使用されています。

これはフィルム製造装置での一例ですが、ロールtoロールと呼ばれる連続成形法において、工業用ロールはあらゆる部分で使用されているとともにとても重要な
部品でもあります。


では早速ですがロールの製造工程をご紹介します。


材料の購入


製作に必要となる材料を選定し、購入します。

工業用ロールは一見単純な形をしていますが、そのほとんどは軽量化のために中が空洞になっています。使用用途によっては無空のものや中に熱媒を通せるようになった構造のものもありますが、外筒パイプに丸棒の軸を組み込んで使用するものが大半を占めています。

そのため、製作する工業用ロールに必要となる部材をそれぞれ購入し、組立を行う必要があります。

材料は黒皮で入荷します。

材料は黒皮と呼ばれる表面に黒っぽく
凹凸がついた状態で入荷します。
その状態では図面の要求精度を満たすことができないため、旋盤で削って綺麗にする必要があります。そのため、仕入れの際はあらかじめ削ることを考慮して図面寸法よりも少し大きなものを購入します。


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材料旋盤加工


部品ごとに旋盤で加工します。

材料が入荷した段階では図面寸法より大きく組み込みができない状態のため、旋盤と呼ばれる工作機を使用して部品ごとに加工をしていきます。この工程はL1とか呼ばれたりします。
外筒パイプや軸、フランジ等の黒皮を除去し、組み込み前の寸法に削っていきます。

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詳しくはリンク先のページをご覧下さい。





穴あけ加工


必要に応じて材料への穴あけ加工を行います。


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続きまして、使用用途によっては内部に熱媒が流れる仕様の場合があるので流路を設けるために必要に応じて穴あけを行います。

軸に穴をあけたり、内筒に穴をあけたりします。
加工順によっては旋盤加工よりも先に加工することもあります。



詳しくはリンク先のページをご覧下さい。



焼きバメ・溶接加工


部品を組み立て・接合する工程になります。

焼きバメをしなくても組み立ては可能ですが、組み込みができるようにクリアランスを大きくし過ぎると強度が不十分となるので弊社では焼きバメ後に溶接を行っています。

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溶接(1)

詳しくはリンク先のページをご覧下さい。






お客様の希望によってはカラーチェックを実施します。
詳しくはリンク先のページをご覧下さい。






ロール旋盤加工(仕上げ)


旋盤加工でロールを仕上げます。

溶接をした後は溶接した部分が歪んで形状が変わってしまうので、再び
旋盤加工を行います。いわゆる仕上げの工程です。
部品点数により旋盤⇒溶接の回数は増えるので旋盤の回数によりL2,L3と呼ばれたりします。



2


フライス・マシニング加工


主に溝加工や仕上がり面の穴あけをします。

胴体・軸が旋盤で仕上がったら、キー溝の加工やナイフロールの刃先加工など旋盤ではできない加工をフライス・マシニングセンタでおこないます。
機械は使用用途によって使い分けています。

キー加工

詳しくはリンク先のページをご覧下さい。







検査


出荷前に検査を行います。

定盤で、図面通りに仕上がっているか外観検査及び寸法検査をおこないます。
熱媒を使用する工業用ロールであれば圧力検査を実施します。


A-34-003圧仕上

寸法検査に使用する機器はこちらのページでご紹介しています。

めっきロールの検査機器①【検査方法をご紹介】寸法、粗さ測定



バランス測定


指定がある場合はアンバランス量の測定します。

順番が検査と前後する場合がございますが、アンバランス量が図面通りであるか測定を行います。
バランスの測定にはダイナミックバランスマシンを使用します。


バランシングマシン

詳しくはリンク先のページをご覧下さい。





いかがだったでしょうか?工業用ロールの芯金完成までの流れは以上になります。

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旋盤、焼ばめ、溶接により工業用ロールは形となり、その後必要に応じてフライス加工、穴あけ加工を行い、芯金は完成します。この後にめっきやゴム巻、テフロンコーティング、セラミック加工といった各種表面処理を行います。



弊社では、内部に熱媒が循環する2重管、3重管と呼ばれる複雑な構造の工業用ロールやナイフロールの製作を得意としています!


いろいろな種類の工業用ロール製作も可能ですのでまずはお問合せ下さい。




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