今回はロール製作に関係するお話しです。
そもそもロールってどうやってつくるの?って方はこちらからご覧下さい。
工業用ロールの製造方法について【旋盤仕上げまで】
溶接部の巣穴は溶接起因の不良
納入された品物の溶接部分に巣穴があって問題になった経験はありませんか?
溶接部の巣穴は溶接起因の不良です。
巣穴はめっきがつかないのでまた別の問題にもなりますが、溶接による不良は様々です。
例えば軸部の溶接が不十分だと軸が破損するなどの重大な事故に繋がる恐れがあります。
また外筒の中に溶接するような構造のロールだと内部の溶接が外れると使用中に音鳴りがするなどのトラブルが起きることもあります。
明らかに目視で分かるような溶接不良であれば別ですが溶接不良による欠陥は通常目視では発見するのは困難です。
このような不具合を防ぐための検査がカラーチェックです。
目次
- カラーチェックとは
- カラーチェックの手順
カラーチェックとは
カラーチェックは溶接欠陥を検出するための検査
カラーチェックとは別名染色浸透探傷試験とも呼ばれる表面の微細なきずを検出する材料の非破壊検査の1つです。溶接においては溶接欠陥を発見するために使用されます。赤色の浸透液(染色浸透液)を試験体に塗布し、傷の有無並びに大きさを観察します。
カラーチェックの手順
実際にカラーチェックの手順をご説明します。今回は2重管ロールの外筒と内筒の溶接に不具合がないかを検査します。
まず、カラーチェックは洗浄液、浸透液、現像液と呼ばれる液体を使用します。
①洗浄液で品物を洗浄します。
洗浄液での洗浄が不十分だと浸透液をはじいてしまうので入念に拭きとるのがポイントです。
②浸透液を検査箇所へ塗布します。
スプレーで塗布してもよいのですが、周りに飛び散るとふき取りが大変なので今回は、はけを使用しています。浸透液は赤い色をしています。
塗布が完了したらしっかり乾燥させます。季節により乾く時間に差が出るため注意が必要です。
③洗浄液で表面の余剰浸透液を除去します。
完全に浸透液まで除去してしまうと検査ができないので直接洗浄液をスプレーせずに、ウエスに染み込ませた状態で表面の余剰分だけ拭き取るようにする必要があります。
④現像液を検査箇所へ塗布します。
浸透液を塗布した箇所へ現像液を塗布します。
しっかり振ってからスプレーするのがポイントです。
乾いてくると白っぽく変化してきます。
⑤表面を観察します。
溶接不良があれば不具合箇所に染み込んでいた浸透液が現像液に吸い出されて赤く変化します。
表面を観察して色の変化がなければOKです。
万が一赤く変化した場合は、観察して不具合と判断したら溶接にて修正をします。
いかがだったでしょうか。
今回は溶接によるトラブルを防ぐための検査方法をご紹介させて頂きました。
カラーチェックには資格が必要
なお、カラーチェックを行う場合には資格が必要で弊社では製作工場、めっき工場双方に有資格者が在籍しています。以上、カラーチェックとはでした。
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