弊社が主力製品としてめっき及び製造を行っているロールは、
見た目では単純な構造をしていますが、
その殆どは軽量化や材料コストを削減するために内部が空洞になっています。
これは外筒パイプと軸を組み合わせて製作されているためです。
軸部とパイプの材料写真
ロール製作においては強度はかなり重要
別部材同士を組み合わせて製作するため、ロールにする際は使用上問題ないように強度を持たせる必要があります。
その手法として組み立ての際に焼き嵌めや溶接を行いますが、今回は焼きバメについてご説明します。
そもそもロールってどうやってつくるの?って方はこちらからご覧下さい。
工業用ロールの製造方法について【旋盤仕上げまで】
目次
- 焼きバメとは
- 焼きバメの手順
- 焼きバメ後について
焼きバメとは
焼きバメとは、はめあいの種類の1つです
金属を加熱することによって膨張させ軸に穴を嵌め込む、いわゆる「しばりバメ」と呼ばれる手法です。
焼きバメの手順
バーナーで加熱して焼きバメをします
バーナーで加熱し、膨張させます。十分に加熱ができたら軸をはめ込みます。ポイントはパイプの内径よりも軸部の外径が大きいこと
この時、パイプの内径寸法は基準寸法より小径にして、軸部の外径寸法は基準寸法よりも大きくしています。加熱せずに嵌めようとしても全くはまりもしませんが、加熱することによりパイプの内径が広がり、軸がスムーズにはまります。
焼きバメ後について
焼きバメ+溶接でさらに強度UP
焼きバメ直後はかなり熱くなるので、焼きバメ後は常温で冷まします。パイプが冷めると内径が縮まり、軸が強く固定されて人の力では全く外れなくなります。この後に溶接を行うことでさらに強度を得ることができます。焼きバメが重要な理由
溶接をするだけでも軸は外れにくくなりますが、高速回転やニップ圧のある過酷な環境で使う品物なので焼きバメが甘かったり、やっていなかったりするとそれらの力に耐えられず、溶接割れを起こし、最悪その部分から軸部が外れたり、折れたりしてしまうことがあります。そのため、溶接前に焼嵌めを行うことが安全な品物を製作する上でとても重要な工程となります。
ここではお教えできませんがこの時の内径と軸部の寸法設定やバーナーでの加熱の仕方が焼きバメをする上での重要なポイントになります。加熱が不十分だと上手く焼きバメできないことがあります。
弊社ではここをきちんと管理しています。
溶接については下記の記事をご覧下さい。
以上 焼きバメについてでした。
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