めっき屋営業マンのブログをご覧いただきありがとうございます。
今回はマイクロクラックと錆の話です。
そもそもクロムめっきってなに?って方はこちらからご覧下さい。
目次
- めっきしたロールでも腐食することがある
- マイクロクラックによる腐食の原理
- 腐食への対策
- 腐食の処置に関して
めっきしたロールでも腐食することがある
使用中のめっきロールが錆びた
お客様から原因に関してお問い合わせや修理のご依頼をいただくことがあります。これは硬質クロムめっき表面にマイクロクラックという目では見えないひび割れがあることに起因しています。
マイクロクラックによる腐食の原理
マイクロクラックは、表面から母材に繋がっている
マイクロクラックはめっき皮膜の中でつながっており、それをたどると表面から母材にまで到達します。←マイクロクラック拡大写真
マイクロクラックを通じて腐食因子が母材に到達することがある
そのため、クロムめっきを鉄素材やアルミ素材に行っている場合湿気が多く結露しやすい環境や腐食性の強いガスが出る環境にさらされているとマイクロクラックを通じて腐食因子が侵入し、硬質クロムめっきをしている母材に腐食が始まります。
その結果、品物表面に錆がでてきたり、腐食によりクロムめっきが浮いてきて最終的には剥離してしまう現象に繋がります。
腐食への対策
腐食しやすい環境でロールを使用する際は、母材をステンレスにすることが多いのですが、鉄やアルミの場合は、
ニッケル+クロムめっきやダブルめっきと
いう方法もあります。
ニッケル+クロムめっき
ニッケルクロムと呼ばれています。下地にニッケルめっき、ニッケルめっきの上にクロムめっきをすることによりマイクロクラック起因の腐食を防止します。ダブルめっき
クロムめっきを2層に分けて処理する方法です。クロムめっきの施工を1層目、2層目と分けて行うことで母材に到達するマイクロクラックの数が減り、マイクロクラック起因の腐食を防ぐ効果が期待できます。もちろん腐食に関してはマイクロクラック起因ではなく、ピットやピンホールといっためっきの不良によるものもあります。
腐食が起きた際は原因を分析し、適切な対処をすることで再発を防ぐことが可能です。
腐食の処置に関して
クロムめっきが錆びた時はどうしたらいいの?
クロムめっき表面に錆が発生した時は、母材が腐食している合図ですので、
基本的には再めっきをおすすめしています。
腐食の程度によっては表面の錆だけきれいに拭き取ればしばらくは使用できる可能性はございます。
しかしながら母材が腐食しているということは腐食が進行する可能性があり、いつかはめっきが脱落してしまうことに繋がりかねません。
そのため、クロムめっき表面に錆が発生した場合は悪化する前に再めっきを依頼してください。
具体的にはクロムめっきを剥離したのちに錆びている表面を研削で落として、再びめっきをすることになります。
クロムめっき表面がポコポコ浮いているような状態は腐食がかなり進んでおり、めっきが剥離しつつある状態です。そうなる前に必ず相談しましょう。
今回腐食したロールは弊社で再めっきを行い、腐食を除去してピカピカの状態で再度納品させて頂きました。
品物の修理のご依頼もお待ちしております。
弊社までお問い合わせ下さい。
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