以前からテフロンコーティングとテフ・ロックが同じようなものだと思いお問合せをいただくことが多いので今回はテフロンコーティングとテフ・ロックの違いについてご紹介したいと思います。
そもそも塗装とめっきについて知らないよって方はこちらからご覧下さい。
めっきと塗装って何が違うの?【めっき屋が詳しく解説】
目次
- テフロンコーティングについて
- テフ・ロックについて
- まとめ
テフロンコーティングについて
テフロンコーティングは塗装
まずテフロンコーティングの方ですが、以前ブログ内で紹介させていただいたようにフライパンなどによく使われています。塗装という位置付けになります。
工程としては下地処理としてブラストを施したり、化成処理にて下地となる皮膜を作ります。その後テフロン(フッ素樹脂)を分散させた塗料を塗布(コート)します。母材の種類や塗料の種類、膜厚などによって塗布を複数回行います。最後に焼成炉を使用して高温にて焼付けを行い母材にテフロン(フッ素樹脂)を安着させて出来上がりとなります。
テフ・ロックについて
テフ・ロックはめっき
それに対してテフ・ロックは母材に直接フッ素樹脂を塗布しているわけではなく、まずベースとなる硬質クロムめっきを施工します。なのでめっきという位置付けになります。硬質クロムめっきは非常に硬く、摩擦係数が低く、耐摩耗性に優れた表面処理です。
特徴として析出中に内部応力によりクラック(割れ)が発生することが知られていますが、それを利用した技術がテフ・ロックとなります。
硬質クロムめっきにある表面層のクラックを化学的エッチングによりさらに拡げ・・・
そのクラック内にPTFE(フッ素樹脂)を埋め込みます。
それによって硬質クロムめっきの硬さや耐摩耗性などはそのままにフッ素樹脂の持つ非粘着性や低摩擦係数などの特性がプラスされ、優れた機能を持った表面処理となります。
このようにテフロンコーティングとテフ・ロックは工程もメカニズムも全く異なる表面処理技術です。
まとめ
【テフロンコーティングは塗装】
表面に直接塗布するので離型性に優れる反面、密着性や耐久性はあまりよくありません。またテフロンには絶縁性があるので帯電します。
【テフ・ロックはめっき】
クロムめっきにテフロンを含浸させるので、密着性と耐久性に優れる反面、テフロンコーティングよりも離型性が劣ります。表面はめっき層なため、導電性があり帯電はしません。
めっきと塗装の違いについてはめっきと塗装って何が違うの?でも詳しく説明させていただいております。
今回は日頃からよくお問合せをいただくテフロンコーティングとテフ・ロックの違いについてご紹介させていただきました。
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